【DevLOVE】「ユーザーの本質的要求発見ワークショップ(β版)」に参加してきました
こんにちは。アオヤマです。
そういえば先日水曜 DevLOVE という開発者の集いの1イベント「ユーザーの本質的要求発見ワークショップ(β版)」に参加して来ました。
この記事では実際に行われたワークショップの内容を簡単に紹介したいと思います。
ワークショップの目的
サービスやプロダクト、ビジネスを企画する上で肝になるのは ユーザのニーズ・課題の探求 です。
今回のワークショップでは エクスペリエンス・ビジョン という書籍で紹介されている 上位下位関係分析法 を用いて、ユーザのニーズ・課題の探求を行いました。
上位下位関係分析法というのは「『(インタビューなどから得られた) ユーザーに関する事象 』を元に、その 行為目標 、さらに行為目標から上位にあたる ニーズ 、さらにその上位の 本質的要求 を、上位下位の関係分析によって導きだす」というものです。
付箋紙にニーズを書き出し、関係分析によってまとめていく (上に行くに従い、本質的欲求に近付く) - ユーザーの本質的要求発見ワークショップ(β版) -上位下位関係分析法によるニーズ発見- - DevLOVE | Doorkeeper
今回のワークショップでは『ユーザーに関する事象』を フォトエッセイ法 というもので表現しています。
フォトエッセイでユーザの想いを表現する
フォトエッセイの例 ※ワークショップにあたって私が提出したもの
フォトエッセイとは、ユーザー自身(あるいはユーザになりきった企画者)が一枚の写真とそれに関わるエッセイを記述することにより、他者がユーザーの本質的要求や潜在的ニーズを発見する方法です。
フォトエッセイには必ずテーマを設けます。そして、テーマは最終的に提供するサービスの思想や機能に直結するものでなくてはいけません。 今回のワークショップでは 感情をリアルタイムにログを残したいと思った出来事やイベント、モノ、場所 というテーマを設けていました。
フォトエッセイからニーズを導き出す
フォトエッセイからユーザーのニーズを導き出すため、ブレインストーミングを行う
フォトエッセイは参加者毎に発表が行われ、それぞれについて 感じたこと 気付いたこと 行動したこと を抜き出し、付箋紙に書き出していきます。
まずは思いつく限りの全てを書き出し、ある程度量が出た後にそれぞれに対し分類を行います。分類の方法に細かいルールはありません。全てのユーザーの様々な要求の中から共通点を見つけ出し、一括りにしていくだけです。(例えば『全てのユーザには 思い出したいことがある 意外性を求めている 』 などです。)
一度分類が終わった後、その分類から更に上位のニーズを導き出します。 先の例であれば『思い出したい』→『何故思い出したいのか』、『意外性を求めている』→『何故意外性を求めているのか』などです。突き詰められる限り突き詰めます(※)。
※ この手の分析は突き詰め過ぎると「幸せになりたい」といったものになりがちですが、そこまで突き詰める必要はありません。というかそこまでいくと何の役にも立たねえ。
複数のグループで繰り返しブレインストーミングを行い、分析に多様性を与える
どこまで突き詰めるかは『自由』
今回のワークショップでは参加者(8名程度)を2つのグループに分け、交互にブレインストーミングを行うことで分類を繰り返しました。
例えば『Aグループが分類したものに対しBグループが更に上位の分類を行った』り、『Bグループが分類したものに対しAグループが再分類する』ことも起こり得ます。それぞれのグループがそれぞれの視点で分類するため、結果生まれる分析に多様性をもたらすという試みです。(※)
※ 1つのグループを3-4名にすることで1人1人が発言しやすくなりますし、グループが複数存在するので意見が一方向に流れにくくなります。
まずは実践してみよう
元々結果が見えない分析のため、話の進め方は非常に難しくなります。 実際に今回のワークショップでも十分な議論が行われたのか曖昧なまま時間切れで終了しています。ワークショップタイトルに「(β版)」が入っているのはそういうワケだと思います。
また、手法自体が実際に具体例を使って経験しないと理解することが難しいものでもあります。 目的を明確にした上で実践しなければ成果を得ることはできませんが、『ユーザーの本質的要求』の発見が必要なプロジェクトには導入の価値ありです。是非、お試しあれ。
おまけ
十分な議論が行われたのか曖昧なまま時間切れで終了
と書きましたが、時間を掛ければいけるかというと、そうでもなさそうです。
開発するサービスやそれに伴うフォトエッセイのテーマが明確でないと迷走するでしょうし、仮に時間を掛けるだけ掛けたとしても消化不良になるでしょうし、時間の無駄になりそうです。
つまるところ、「テーマが明確か」「最終的な合意をどうとるか」に掛かっていると思います。(現時点でそこに正攻法がないことも「(β版)」なのかもしれません)